落語でできる人財育成 その2

落語でできる人財育成 その2

こんにちは。枝閣亭主徳です。 て、私が素人落語をやる時の名です。

それはさて置き、その1は導入として落語と人財育成の関わりの有無、人財育成の観点からの落語の要素を生かす場面ということを簡単に述べました。 コミュニケーション能力向上という面に役立つということは何となくわかっていただけたと思いますが、焦点を絞って役立てる基本を考えます。

落語は道具不要の一人芝居

落語以外の話芸の講談、漫談や浪曲は一人の演者がお客に語りかけてストーリーを説明して成立します。 演劇や芝居は複数の演者がお客に語りかけずストーリーを演じますが、舞台装置、大道具、小道具があり、衣装を身に着けており、誰が何者かも見当がつきます。

対して、落語はストーリーを説明することなく、一人が複数人の対話を演じ、それを観るお客にストーリーを理解させるものです。 道具は扇子と手ぬぐいのみ。 動いても座布団から外れることはない。着替えることもない。お客が対話を見聞きして想像することによって成立し、想像させる力がなければ成立しない芸が落語です。

全力で伝えるとは

道具、衣装や説明を用いないということから、落語には伝えるためのテクニックはいくつかありますが、根底に必要なのは"全力で伝える姿勢"です。 プロ野球オリックス現2軍監督の田口壮氏の話として有名ですが、田口氏は「メジャーリーガーが筋トレをするのはただ力をつけて飛ばしたいだけではない。 飛ばせる力がつけばバットコントロールという技術に専念できるからだ。」という事をメジャーリーグに行ってから知り、全力の意味合いがやっとわかった、と言っています。 それから自分の全力とは何かを考え、体力だけでなく技術力、知力、洞察力、緻密さなど彼の持てる能力の全て=全力を使い、短所と思っていたことすら長所と考えメジャーリーグで自分の位置を確保したのでした。

同様に落語では、ただ話すだけでなく全力でお客に伝える、想像してほしいと思うからこそ、身振り手振りを交えたり、言葉の抑揚がついたり、表情をつけたり、感情を表したりするのです。

目標があれば全力で何をするべきかがわかる

そして落語は笑いを取る、という目標があります。 仕事においては伝えるための目標が、契約を取る、教育をする、部署間の調整をする、上司を納得させるなどあるでしょう。 そのためにどんな工夫や努力をするのか。

身一つで伝えて想像させる。 そして目標は笑いを取ること。

落語を通して"全力で伝える姿勢"を持つことができれば、他の場面でも工夫や努力をして"伝えること"ができるはずです。

Tosimitu Nagusa

Column
Profile

1964年生まれ(大阪府出身):産業機械メーカーにて営業職として1,000以上の現場に携わる。15年間の勤務中に駐在所所長、支店長代行を経験。2003年に独立し、社会保険労務士開業登録。以降、製造業や商社、サービス業など幅広い分野を関与先とし、社会保険労務士業・人事コンサルタント業(労務問題、就業規則策定、人事評価制度の見直し、企業内研修等)で活動中。企業人としての経験から、労務管理による組織の信頼関係の構築、目標を達成できる組織づくりへの支援を目指す。講演/執筆等多数。