落語でできる人財育成 その4

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こんにちは。久しぶりになってしまった枝閣亭主徳です。

変わらず落語は素人落語ですが、人財育成に落語の要素を生かすことができることを検証しようとして4回目になります。その3では落語の社会性、心理性、聞く姿勢という点から「つなぐ力」について検証しましたが、今回は「笑いの力」について考えてみたいと思います。

笑いの効能

近年は「笑いと健康」というテーマで様々な研究がされているようですが、その中で遺伝子工学の村上和雄先生が吉本興業と組んで実施した実験があります。「笑いというよいストレスが遺伝子スイッチに作用するか」という実験で、これにより、笑いで糖尿病患者の食後血糖値の上昇を抑えられることがデータで確認できたのです。
糖尿病患者さんたちに2日間、同じ食事で同じ生活を送ってもらい、1日目は昼食後に大学の先生による専門的な講義(難解なもの)を受けてもらいました。2日目は、昼食後に人気コンビの漫才により、腹がよじれるほど笑ってもらいました。すると1日目の講義後は患者さんたちの平均血糖値が123ミリグラムも上昇したことに対して、2日目に大笑いしたあとは平均血糖値が77ミリグラムに抑えられたのです。この実験により、笑いは遺伝子のスイッチをオンにして人間の進化に影響を与えると考えられるようになりました。

落語での笑い

桂枝雀師匠は「緊張の緩和理論」を述べられていました。簡単にいうと「場の雰囲気に緊張感が高まり、その緊張がふっと緩和されると笑いが生じる」ということです。緻密に計算された前振りがあり、オチがあり、笑いにつながります。古典落語には昔も今も変わらない人間感情に訴える何かがあるから今も演じられているのでしょう。年月を超える笑いに対する感情は、世代間ギャップに悩む人財育成の現場に何らかのヒントになると考えます。

まず自分が

落語を演じるとします。講演などでもいいでしょう。演者が袖から舞台に出てきたときに緊張で顔をこわばらせていたら、観客の反応はどうでしょう?おそらく観客も緊張してしまうでしょう。演者が笑顔で、楽しげにしていれば、観客もリラックスしていられます。職場や他の場でも、相手や周囲に笑顔でいて欲しければ、まず自分が笑顔であること、ですね。

笑いを意識し、自分が笑えば周囲も笑顔になる。そして笑いは遺伝子のスイッチをオンにして体に良い影響をもたらす。あなたのその笑顔は、職場や所属する組織を活性化させ、その進化に役立つのかもしれません。

Tosimitu Nagusa

Column
Profile

1964年生まれ(大阪府出身):産業機械メーカーにて営業職として1,000以上の現場に携わる。15年間の勤務中に駐在所所長、支店長代行を経験。2003年に独立し、社会保険労務士開業登録。以降、製造業や商社、サービス業など幅広い分野を関与先とし、社会保険労務士業・人事コンサルタント業(労務問題、就業規則策定、人事評価制度の見直し、企業内研修等)で活動中。企業人としての経験から、労務管理による組織の信頼関係の構築、目標を達成できる組織づくりへの支援を目指す。講演/執筆等多数。